ゆっくり考える余裕すらなかった

想定外とはいえ、おめでたい事には違いありません。私もとうとう親になるんだって自覚を持たなければ、子供を育てる資格すら与えられないだろう。

役所の窓口で受け取り、重みは紙だけどズッシリしてる。家に帰る道中も心なしか、いつもと違った道なように感じる。これも母子手帳をもらった責任からか。

両親にはすでに伝えてあるけど、やっぱりタイミングが悪かったから非常に嘆く。私にもどうするか真剣に考えるよう説得がくる。

なんたって離婚に向け協議真っ最中という状況で、妊娠発覚でしょ、そりゃ焦るよね。

実家に戻ると、もう一度本当にいいのかと聞かれる。もう大丈夫、決心はついてるよ。お母さんお父さん、心配かけてごめんね。

それからはすごい早さで時が流れていき、ゆっくり考える余裕すらなかった。手帳をもらってから、すでに半年は経過してる。

あー名前も決めないと、もう時間がない。素敵な感じに仕上げ、一緒に暮らしたい。